ネパール・カトマンドゥ(3)

バクタプル
 カトマンドゥ盆地の古都バクタプルBhaktapurへの移動はバスの利用が簡単で、かつ安いので勧められる。カトマンドゥのバグ・バザールにあるバス乗場から9番のミニバスで1時間、Rs25で バクタプルのバスパークに到着する。多くの旅行者が向かうダルバール広場Durbar Squaqreへは徒歩10分と近い。私も含めて旧王宮をカメラに収め、南にトウマディ広場Taumadhi Squaqre、東側にタチュパル広場Tachupal Squaqreまで迷路のように広がる路地を走り回るのに忙しい。まるで広大なバザールである。これだけでは驚かない。ここは、単純な言い方であるが、美しいのである。理由付けが要らないと言うか、できないほど美しいのである。でも何か言わなくては読者諸氏に伝わらない。槻並な表現であるが、「ネワール族が築いた中世の街並みがそのまま残されている」のである。
 突然であるが、製作年は1987年、伊・英・中で制作されたベルナルド・ベルトルッチ監督の「ラストエンペラー」を御存知でしょう。出演者、スタッフも含めて超一流の方々であることも含めて、不巧の名作として映画史に残る傑作であろう。北京を旅する多くの旅行者と雑談をする時に話題になる作品である。そして、「リトル・ブッダ」では、出家前のシッダールタ王子が過ごした町として、多くのシーンがここバクタプルで撮影された。バクタプルは、カトマンドゥ盆地ではカトマンドゥ、パタンと並ぶ古都であるが、それはベルナルド・ベルトルッチ監督の作品で表現されるように、ある意味でイタリア的ペーソスを感じさせる深い美しさを感じさせるものである。
 一度は盆地全体の首都でもあったバクタプルは、マッラ王朝時代(15世紀から18世紀)に3王国の首都の一つとして、華やいだネワール文化とともに発展を遂げた。私の年のせいもあろうが、もう一度「イタリア的ペーソスを感じさせる深い美しさを色濃く感じさせる古都である」。

バクタプルヘようこそ
ダルバール広場の東側にあるタチュバル広場の中心に建つダッタトラヤ寺院。1本の木から掘り出したと言われる1427年建立の木造寺院である。ヒンズー教の寺院であるが、仏教徒も参拝に訪れる
レンガと木の町の美しい建物が続く
カトマンドゥの木彫美術館
Wood Craft
建物の左下部分に表示してある「この向こう30メートルに『孔雀の窓』あり」の白い掲示が見えますか?
ネワール彫刻の傑作、「孔雀の窓」。美しさ故に「ネパールのモナ・リザ」とも呼ばれる
窓の隅の部分を拡大した写真
木彫美術館の斜め向かいにある真鍮・青銅美術館
真鍮・青銅美術館
寺院の入口。土足厳禁。室内の写真撮影禁止
先に述べたネワール族が築いた中世の美しさを彷彿とされる建物の一つは、1702年に建立された高さ30メートルのニャタポラ寺院。「ニャタポラ」は「五重の屋根」という意味で、寺院は5段の基壇と五層の塔からなる
ニャタポラ寺院の本尊は女神シッディ・ラクシュミと言われているが、扉は釘付けされているために、一度も開けられたことがないそうだ
塔までの階段はひな壇上になっているので迫力がある
修復中で写真にするのがかわいそうであるが、五重塔の目の前にある三層のヒンドゥー教の寺院、バイラブナート寺院。今は美しい姿を見せているのだろうな?

陶器広場
 バクタプルの美しい広場を構成するマテリアルの一つ、レンガや陶器は地場で造られている。それも自らその名前を付けた「陶器広場」を持つ。トウマディー広場から少し先にある広場で、バクタプルの陶器職人街では多くの職人が作業に勤しんでいる。
 この広場には、土などの素材を丁寧に分類、乾燥し、乾燥中の陶器を並べているレンガ造りの工房も見学が可能になっている。工房によっては作業工程の体験をさせてくれるところもある。
 人気のバクタプル名物である「ズズダヒ」というヨーグルトが入っている陶器を始め、陶器に関する色々なお土産屋さんも多数ある人気の広場である。

砂の乾燥
成型担当の職人さん
陶器の乾燥
出荷前の陶器
お店屋さん

55窓の宮殿に戻る
 陶器屋のおばさんを冷やかしていたらご婦人に声をかけられた。私のような方向音痴でも、観光客に方向を聞かれることがある。今回は「55窓の宮殿」である。さっき行ったばかりでも怪しいのが私のような方向音痴。偶然、今回はうまく目的地に行けた。ついでに、もう一回じっくり観た。

ゴールデンゲート、「55窓の宮殿55 window palace」をバックに、ブパティンドラ・マッラ王(在位1696〜1722年)がお祈りをしている像が上に乗った石柱。ネパールの石像の中では最もすばらしいと言われる石像

前の写真をトリミングして拡大した写真
旧王宮の左に隣接する建物は、国立美術館として公開されており、仏画や神像が展示されている
1745年にランジット・マッラ王によって建てられた旧王宮への入口の門
門にはガルーダにまたがるカーリー女神、ヴィシュヌなどのヒンドゥの神々の装飾細工が施され、芸術品として評価されている
ゴールデンゲートの右隣にある1427年にヤクシャ・マッラ王の統治期間に建てられ、17世紀にブパティンドラ・マッラ王によって再建された「55窓の宮殿」。その名のとおり、入り口を含めると窓が55あり、それぞれには緻密な彫刻が施されている
ダッタトラヤ寺院と向かいに立つガルーダ像
水汲み作業
タルチョ

ヒマラヤの夕焼け
 「ヒマラヤの夕焼け」と「ヒマラヤの朝日」は、どこで見るか?「どこでも良い」が結論だそうです。「どこからでも美しいのだ」そうです。と言うことで?遠くカトマンドゥ盆地の東端(峡谷)「ナガルコット」に向かうことにした(最も美しい夕焼け、朝焼けを見られると言われている所です)。こういうひねくれ者は結構多くて、「今晩のゲストハウスは空きがあるかな?」とみんな心配している。大丈夫。とても世話好きで、宿から歩いて10分くらいの所に「美しい夕日が無料で見られるゲストハウス」が予約できた。私のカメラが最も貧弱であったが、何とかなった。

ヒマラヤの夕焼けです 撮影時刻17時06分
17時06
17時06
ヒマラヤの夕焼けです 17時06
17時07

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です