パタン
先に、拙稿「北インド・ワラーナシーとサールナート」において、聖なる河ガンガーが流れるワラーナシーの「マニカルニカー・ガートとハリシュチャンドラ・ガートには火葬場がある」ことを御紹介した。そして、これから御紹介する予定であるが、ガンガーの支流であるバグマティ川に面するネパールのパシュパディナートには、隣接した複数の火葬台を備える火葬場「アルエガート」がある。この聖河・バグマティ河の対岸に位置するのが、今日最初に訪ねるパタンである。
カトマンドゥ盆地にマッラ3王国があった時代に首都として君臨した古都である。旧王宮を始めとした建築物もそうだが、それ以上に街ですれ違う人々の動きに、日本人の多くは何かしらの共鳴する所作を感じるであろう。パタンという語は「美の都」という意味だと教えられたが、ハードウェアと同時に、繰り返しになるが、人々の持つ雰囲気が、…、何人かの人達に親切にされて少し理解できるようになった。間違っているかも知れないことを恥じずにズバッと言ってしまえば、その底流に流れている源流は「仏教」だと思うようになった。とてつもなく大きなテーマなので、今はここで中断するが、長い仏教の歴史を持ち、パタンの住民の8割が仏教徒だそうだ。納得、勝手だが。
ダルバール広場
ダルバール広場は、前述したようにマッラ王朝の最盛期(16世紀~18世紀)に首都として君臨した古都であるだけに、造られた古い建物が今も美しさを競っている。東側に旧王宮、西側に寺院と分かりやすい。まさにネパール建築の展示会場のようである。
ボダナート
ボダナートBoudhanathは、カトマンドゥにある、高さ約36メートルのネパール最大の巨大仏塔(ストゥーパ)である。「カトマンドゥの渓谷」の一部としてユネスコの世界遺産に登録されている。世界のチベット仏教の中心地であり、中心には仏舎利(ブッダの骨)が埋められている。解説書によると、ボダナートの「ボダ(ボゥッダ)」は「仏陀の」「仏教の」「知恵の」を意味し、「ナート」は「主人」「神」などを意味するそうである。三重の構造からなる基壇と直径27メートルの石造りドームから構成されて、その上には四方を見渡す「ブッダの知恵の目」が描かれている。
一歩下界では、金、車、そして商売、商売