マレーシア・イポー&ジョージタウン

イポー
 今日はクアラルンプールからイポー(IPO)への移動日である。イポーはマレーシア北西部にあるマレーシア第三の都市で、この国を代表する地下資源である錫の採掘で栄えた街だ。華人が多く住む東南アジアのチャイナタウンといった雰囲気の町である。
 目的地のイポーの観光と同時に、イポー~クアラルンプールを結ぶETS(高速電車)、KTMインターシティの列車の旅を楽しむことが目的でもある。私の求めた列車のチケットは、マレー鉄道(www.ktmb.com.my)のKL Sentral 発09 :00(EG04)→IPO 11 :20 着の2時間20分の行程である。
 いつもの癖であるが、車窓の景色に飽きると列車の中で文庫本を読む。もう数ページで終わりそうだ。乗った時から気になっていたのだが、40代のきりっとした日本人がなんとなく、…、彼もイポーで降りるようだ。これもいつもの癖だが、「終わりましたので、よければ、…」と、本を差し上げた。当然のことだが、びっくりなさって、「現地生活が長いので」と気持ちよく受け取ってもらった。「ここで、蝶や他の虫などを日本に送っています。ヘビ園も有名ですが、是非、蝶園にお出かけください。」「ホテルが決まってなければ、…」。そこは大人の別れ方で、気持ちよく、「さようなら」。良い旅になりそうだ」

コロニアル風の建築様式を巧みに取り入れたイポー鉄道駅
イポー鉄道駅

ペラ・トン/サン・ポ・トン
 イポー観光の目玉の一つは、洞窟寺院(中国寺院)の見学である。豊富な石灰岩の素材と生産量を生かして多くの洞窟寺院が建てられている。ペラトン(霹靂洞)は、12.8メートルもある金色の仏陀の座象や40体を超える座像が人気の的で、多くの観光客が訪れている。
 近郊バスステーションからNo.35のバスで約15分、RM1.50で行くことができ、嬉しいことに、寺院の入場料は無料である。

ペラ・トン(霹靂洞)
ペラ・トン(霹靂洞)
ペラ・トン(霹靂洞)
ペラ・トン内部にある黄金の仏像
リン・セン・トン(霊仙洞)。トコン・ナム・トン(南天洞)の隣にある
佛 縁
三蔵法師とお馴染みの一行である
トコン・ナム・トン(南天洞)。三寶洞の隣にある
サン・ポ・トン(三寶洞)。イポーで最も古い19世紀後半に造られ、1912年に発見された中国の仏教寺院(洞窟寺院)である。地元ではパワースポットとして知られる
イポー駅から徒歩5分程の場所にあるバーチ・メモリアル・タワー。英国初代駐在官 J.W.W.バーチの追悼碑である
メモリアル・タワーの拡大写真

イポーからジョージタウン
 イポー・バスターミナルから約3時間でバタワース(Butterworth)へ行き、ここから20~30分間隔で運行しているフェリーに乗船、約25分でペナン(Penang)島のフェリーターミナルに着く。ここから市内のバスターミナルまでは徒歩圏内である。
 ペナン島の中心は、英国の統治時代の面影を残す、いかにも英国っぽい名前を付けられたジョージタウンである。大まかに言うと、フェリー乗り場からジョージタウンの中心街まで1~2キロメートルと近い。したがって島内の観光の脚はバスの利用で十分である。人気のバス会社であるラビッド・ペナン(Rapid Penang)は、ジョージタウン内にCAT(Central Area Transit)と呼ばれる無料バスを走らせている。車体に“Hop On Free(乗車無料)”と表示されたバスで、ガイドブックに観光場所を網羅したルートマップを載せている。私はあらかじめ予約しておいたホテルでこのルートマップを入手し、方向音痴故に何度も同じルートを行き来した。

イポーからバタワースへバスで移動中
時計塔 Victoria Memorial Clock Tower
コーンウォリス要塞。1786年、キャプテン・フランシス・ライトが最初に上陸した場所に建造された要塞。「コーンウォリス」は、当時の東インド会社提督の名前に由来する
コーンウォリス要塞の入口
ペナン島に入植した広東人と福建人によって1800年代に建てられた観音寺。ペナン島最古の中国寺院
観音寺の屋根や柱には美しい彫刻が施されている
1801年インド人のイスラム教徒カウダー・モフィディーンによって建てられたカピタン・クリン回教寺院。インドの伝統的なムガール様式。カピタンはキャプテン、クリンはマレー語でインド出身者をそれぞれ意味する
カピタン・クリン・モスク。“礼拝中”は訪問お断り
カピタン・クリン回教寺院の内部
ドームにミナレットが付いている
極楽寺院 Kek Lok Si Temple
極楽寺院。1890年から約40年をかけて建てられたマレーシア最大の仏教寺院
中国、タイ、ビルマの3つの様式が混在する高さ30メートルのパゴダが美しい。この八角形の塔で7層のパゴダには1万体の仏像がはめ込まれていると教えられた。このことは、まさに異文化が共存するペナンの多様性を意味している
鶴山極楽禅寺
鶴山観音聖像
寝釈迦仏寺院(ワット・チャヤマンカララーム)の五重のパゴダ(仏塔)。1900年に建てられたタイ式と中国式のミックスした造りになっている
本堂には、1958年に造られた金箔をまとった全長33メートルの巨大な寝釈迦仏。裏側に信者の骨壺。コムタのバスターミナルから103番のバスで行くことができる
寝釈迦仏寺院の五重の仏塔

ヘビ寺
 今日は、気味が悪い方もいらっしゃるかもしれませんが、生きた蛇がうじゃうじゃいるペナンで人気のヘビ寺へご案内します。
 イポーからジョージタウンに移動した時に、ペナン島の島内移動にはバスの利用が便利で、とくにラビッド・ペナン社が運行するCATと呼ばれる無料バスや他に運行するルートが便利であることを御紹介した。今日はそれを利用する日である。ジョージタウンから102とか401のラビッド・ペナンで40分前後でヘビ寺に行くことができます。ただし、車内では停留所のアナウンスがないので、乗車の際にドライバーに「スネィク」と告げておくのが良いかと思います。私の場合は運転手に「ヘビね」と返されました。
 1850年、病気や傷を治す不思議な力を持つチョー・スー・コンという僧を祀って建てられた中国儒教寺院である。旅行記には、1986年に秋篠宮殿下(当時)もご訪問されていることから、日本人観光客に人気の高いお寺であるそうだ。蛇たちは寺の守護神として拝められており、毒牙も抜いてあるので「安心だ」と言われているそうだ。私は恐がりで、「安全」ではなく、「安心」だけでは信用しない。料金を払ってヘビと記念写真を撮る勇気?は無い。

中国儒教寺院のヘビ寺
生きているヘビ。どなたかに言われるまで分からなかった
えっ、生きている?怖いっ

 クアラルンプールからここイポーに向かった時に列車の中でお話をお聞きした「蝶園」が近くにあったので訪ねてみた。田舎で育ったので、珍しい風景ではなかったが、さすがにこれだけ大きな施設になると、皆さんにもお勧めしたい。是非、お出かけ下さい。そして近くにある私の大好きな”漁師町”、”テロッ・バハン”もお勧めである。是非、お出かけ下さい。

ヘビ寺近くにあったバタフライ・ファーム(蝶園)
蝶園で見た蝶の舞
蝶園で見た黒蝶
蝶園で見た蝶の舞
ヘビ寺近くにあるテロッ・バハンの海岸をブラブラしていて、網の修理をする漁師さんの技術に見入った。この網の目を見ると、大き目の魚がいるようだ
テロッ・バハンの海岸。レストランではマレー風寄せ鍋 ”スチームボート”がお勧めです
アチェ・モスクのエジプト風ミナレット。インド人囚人の手によって1808年に建てられた。アルメニアストリート近くにある
サイド・フサイン・アイディドによって建てられた
クー・コンシー(邸公司)。福建省から来た邸氏一族が設立した中国寺院。コンシー(公司)とは祖先を祀る廟のことで、敷地内は寺院と集会場から構成されている。焼失後、1960年代に改修された
ジョージタウンの時計塔
ペナン島のジョージタウンから対岸のバタワースを望む
フェリー船内
バタワース駅にある蒸気機関車 

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