ポカラ
昨日、ルンビニのツーリスト・バスパークを朝8時半に出発、直通で約8時間でポカラに着いた。バス料金は、Rs800と安かった。熟睡して、今は翌日の朝9時であるが、これから、ポカラの市内そして周辺の観光を4日間ほどかけて楽しもうと言う計画である。ヒマラヤが見えるせいか、寒い気候を想定してしまうが、標高は800メートルと意外と低く、驚いたことに周りにバナナの樹が生えている亜熱帯のような雰囲気が漂う。よく考えてみれば、南側はインドと国境を接するタライ平原が広がっているのだからこの雰囲気は当然と言えば当然なのである。アンナプルナ連峰そしてフェワ湖の展望をじっくりと楽しみたい。
そうそう、「ポカラ」という地名はネパール語の「ポカリ(湖)」が起源だそうです。街の中心もフェワ湖のレイクサイド(現地名はバイダムBaidam)辺りであり、バスで一緒に来た“連中”もこの近くにホテルをとったようだ。“連中”で思い出したが、その中の一人が毎年、ネパールに来るらしく、ネパールの旅の知恵をみんなに教えてくれた。①ホテルは安宿でなくても交渉で安くなるので予約不要。②メーター付タクシーは少ないので、必ず価格交渉を。③バザールや町中の移動はレンタサイクルが基本、1日Rs 800以下。④確約はできないが、市バスは手を挙げると止まってくれる。
バラヒ寺院
フェワ湖に浮かぶ小島にあるので、“湖に浮かぶヒンドゥ寺院”と呼ばれるバラヒ寺院Barahi Mandirは、2層の屋根を持つ小さな寺院である。市バスの終点近くから出ている渡し船で行くことができる。寺院には地母神の守護神であるアジマ神の化身とされるイノシシが祀られている。
デヴィズ・フォール
農家が散在する高台から坂道を一人で降りてきて、というか、道なき山道に迷ってしまって、やっとのことで一般道路に下りてきた。後で分かったのだが、散在する小屋のような建物は「タシリン・チベット村Tashiling Tibetan Refugee Camp」と呼ばれるチベット人居留地であった。後述するカトマンドゥの「チベット難民キャンプ」の項でもご紹介させていただくが、1959年の中国軍侵入によるチベット動乱の際、ネパールへ逃れてきた難民が造ったものである。
話を「山道から一般道路に下りてきた」時点に戻して、「デヴィズ・フォール」という道路標識が見えたのでそこに向かった。それが方向音痴の役得になった。迷ったおかげで「デヴィズ・フォール」という観光客が集まる人気の場所に着いたのだった。フェワ湖から流れる川の水がいったん地中に吸い込まれ、岩壁の大穴から滝(フォール)になって流れ落ちる奇妙な流れを見せる場所である。土木工学的には一種の浸食現象であり、それ故に乾季にはこの現象は見られないと思うのであるが、ついつい科学してしまって1時間もいたせいか、担当者に間違われてしまって、観光客から難しい質問を受けてしまった。
グプテシュワール・マハーデヴ洞窟
観光客の質問に丁寧にお答えしたせいか、中にはチップをくれる方もおり、Rs200ほど臨時収入を得てしまった。これに味を占めて、どこかの観光地で腕章をつけて白い棒を持って立ってみよう。お客さんもいなくなったので、観光客の流れについて行ったら、デヴィズ・フォールから道を挟んだ反対側に「グプテシュワール・マハーデヴ洞窟」が見えてくる。洞窟の入口から進むと真ん中に大きな穴があり、下へと続く螺旋階段がある。その昔、ヒンズー教のシヴァ神の像が見つかった鍾乳洞の跡であった。
アンナプルナ自然史博物館
アンナプルナ自然史博物館は、プリティビ・ナラヤン・キャンパスの敷地内にある博物館で、アンナプルナ地域に生息する動植物、昆虫などが展示されている。一部の模型や展示物などについてはイラストが多用されていた。旅行案内書にチョウ類の標本が豊富と書かれていたので、係員と思しき方におたずねしたところ、若い女性の研究者を呼んでくださって、多数の標本を見せていただいた。かなり本格的な研究者で、読者の中には、蝶についてはマニアックな取集家も多いと思いますので、是非、お訪ね下さい。
帰りのバスの時間を気にしたところ、バス停まで送ってくださって、本当に楽しく、かつ方向音痴の私にはとても助かりました。お勧めです。但し、さっと見るだけではすぐ終わってしまうほど狭い建物です。引き出しに入っている無数のチョウをリクエストすると、丁寧に対応してくれます。「ありがとうございました」。