ブッダの道・ブッダ・ガヤー

ブッダの道
 今回の一連の旅は、テーマと言えば大げさであるが、私には珍しく“シャカ(釈迦)”に関係した地域を一部ではあるが旅程に入れて計画してみた。論文風に表現するならば、“仏教における重要な仏跡”を訪ねてみたいと思っている。既に、本ブログの「タイトル;北インド・ボーパール&サーンチ 四度目のインド」でご紹介しましたが、仏教における重要な仏跡を訪ねました。(インドではなくネパールだが)仏陀生誕の地「ルンビニ」、成道の地「ブッダ・ガヤー」、初転法輪の地「サールナート」、涅槃の地「クシナガル」、ブッダ教団の地「ラージギル」、仏典結集が行なわれた「ヴァイシャーリー」、仏教大学が栄えた「ナーランダ」などが旅程に入っている。

ワラーナシーからブッダ・ガヤーへ
 最初は、初転法輪の地「サールナート」であるが、前述したように既に前回ワラーナシーを観光した際に訪れ、文章にしている。そこで今回はサールナートは割愛し、ワラーナシーからは成道の地である「ブッダ・ガヤー(Bodh Gaya)」へ移動する。ここで、「成道」とは読んで字のごとく、道すなわち悟りを開いて仏と成ることを意味する。いわゆる「成仏」である。
 Buddha Gayaは現地では「ボード・ガヤBodh Gaya」の発音が通じやすいようであるが、私も含めて多くの日本人は「ブッダ(仏陀)」が身近なせいか、「ブッダ・ガヤー」が多く使われてきたので、以後それに従いたい。
 列車での移動はガヤーGaya経由が便利なはずなのだが、ここで恒例の?“インドの列車の洗礼”を受けてしまった。思い出すのも不愉快なので簡単に書きますが、バナーラスからガヤーへの列車が信じられない遅延ぶりで、予約しておいたホテル1泊分を無駄にしました。しかし、ここでいらいらしてもしようが無いし、皆さんの今後の旅行には何の役にも立たない。ここは堪えて、皆さんに有益な情報を。ガヤーからブッダ・ガヤーに移動する際には列車のチケットの購入が必要ないオートリキシャーの利用をお勧めします。とくに相乗りは気分的にも楽だし、旅の情報を共有できるし、Rs150だと言われても皆でシェァすればRs20になります。但し、夜は一気にRs200に上がるそうです。

駅前通りの風景
ワラーナシー駅。これからガヤー(ガヤー・ジャンクション駅)へ時間通りに向かう(つもりだった)
ガヤー・ジャンクション鉄道駅(GAYA Junction)に、やっと、やっと着いた

気が立っている
 私も含めて乗ってきた乗客は、疲れと空腹と怒りで興奮気味である。しかし、皆で団結! 通りに停まっているオートリキシャーと喧嘩腰で料金交渉をして、ブッダ・ガヤー(Bodh Gaya)まで相乗りで1人Rs20で行かせた。列車が遅れたのは鉄道会社側の責任であって、リキシャーのおじさんの責任ではないのに、大衆心理は恐い。

正覚・成道の地 Buddha Gaya(ブッダ・ガヤー)
 気を新たに”正覚(しょうがく);正しいさとりを意味する仏教用語”の地を歩いて見たい。列車の遅れで丸一日取られたので、「少しペースを上げてブラブラ」と歩き始めると、“Circle wind PAK2005 Junkyu Muto”と刻印されたオブジェが目に入った。思い出すまで時間がかかったが、「武藤順九」が1997年、イタリアピエトラサンタにおいてヴェルシリア賞国際グランプリを受賞したCIRCLE WIND -PAX2000-」のコピーであった。私は震災後、被災地を訪ねていないが、宮城県石巻市に設置された「CIRCLE WIND 2011 -絆-」を覚えていらっしゃる方々も多いことでしょう。東の方向を向いて手を合わせた。

Circle wind PAK2005 Junkyu Muto

 町の中心に向かって歩くと、純白のシュリー・ジャガンナータ寺院(Shree Jagannath temple)が見えてくる。ヒンドゥ寺院である。

シュリー・ジャガンナータ寺院
シュリー・ジャガンナータ寺院

 そして、いよいよ仏陀(ブッダ)ゆかりの地であり、世界中から多くの僧侶が訪れ、観光客が訪れる「ブッダ・ガヤーの大菩提寺」または「マハーボーディー寺院」に向かう。仏教の4大聖地のひとつに数えられ、(他の3つは、既に訪れたインドのサールナート、これから訪れるインドのクシナガルとネパールのルンビニである)。2002年に世界遺産に登録された。
 歴史を簡単にまとめると、今からおよそ2500年前、シャーキャ(釈迦)族の王子として生まれたスイッダールタが解脱への道を求めて世俗を離れ、苦しい苦行を続ける。ウルヴェーラー村(現在のブッダ・ガヤー)の菩提樹の下で深い瞑想に入り、悟りを得てブッダ(サンスクリット語で目覚めた人の意味)となった場所には、高さ約52メートルの大塔(主塔)を有するマハーボーディー寺院が建っている。古いレンガで造られ、「五堂形式」という、塔の頂上の四方に小塔を持つ様式である。
 現在の菩提樹は、イスラム教徒によって弾圧された際に葬られてしまったオリジナルの樹(Ficus religiosa、インドボタイジュ)の挿し木を成長させたもので、4代目に当たるそうだ。菩提樹の伸びた枝の下に金剛宝座があるが、その年代については確定できていないそうだ。
 マハーボーディー寺院の内部には金色に輝く釈迦如来像が「降魔印」を結んだ姿で座していらっしゃる。「降魔印」とは、仏教において、悪魔を降伏(ごうぶく) させるための印で、左手をひざの上に置き、右手を垂らして地を指すものを言う。お釈迦様が瞑想中に指先に地面を触れることで魔を退けたという逸話に由来する。
 なお、黄色い袈裟をまとっているのはチベット仏教の影響を受けたものと、他の訪問者から教えられた。

マハーボーディー寺院(大菩提寺)1番ゲイト
マハーボーディー寺院(大菩提寺)2番ゲイト
マハーボーディー寺院(大菩提寺)
本殿に置かれた黄金の仏像
Cankamana(Cloister Walk)。ブッタが悟りを開くまでの間、歩いていた場所で、瞑想していた菩提樹のそばにある
仏陀はこの木の下で瞑想していた
寺社内における油性ランプや蝋燭の使用禁止(火気厳禁)
ゴータマ・ブッダがその木の根元に座って悟りを得た菩提樹を挿し木することによって作った子孫
Jaya Sri Maha Bodhi Vihara
僧院内部
仏像のアップ
ブッダの誕生から入滅までを絵で示している(ごく一部を以下の絵で示した)

ブッダ・ガヤーにある各国の仏教寺院
 ブッダ・ガヤーの中心にマハーボーディー寺院(大菩薩寺)があり、その周りに各国各宗派の寺院(中国寺、日本寺、タイ寺など)がある。釈迦如来の悟りの地として有名な八大聖地のひとつ、あるいは仏教の4大聖地のひとつに数えられることから仏教では最高の聖地であることは言うまでも無い。同時に、ここはヒンドゥー教における聖地でもある。
 ここでは、ブッダ・ガヤーに建てられている各国の仏教寺院のいくつかをご紹介したい。現役の寺院なので入場料は無料だが、カメラ持込み料がRs100であった。

チベット僧院への入口
チベット僧院
チベット僧院内部
チベット僧院内部
寺院内部に設置されたマニ車。この円筒形の側面には賛歌、祭詞、呪文を象徴的に表現したマントラが刻まれており、内部にはロール状の経文が納められている
中華大覚寺
中華大覚寺
バングラディッシュ仏教修道院
バングラディッシュ仏教修道院
ブッダガヤのメイン通り沿いにあるタイ僧院への入口。内部(奥)に僧院が見える
タイ僧院の外観を撮る。まさにタイの僧院そのもので、本国にいる気分です
僧院内部
ぼだいじゅがくえん
日本寺

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